本講座は、それぞれの専門領域で実践を重ねてきた講師陣によって構成されています。
理論だけでなく、現場で積み重ねてきた経験をもとに、
それぞれの視点から「支援の本質」に向き合います。
武隈 智美(たけくま ともみ)
NPO 法人ゲートキーパーTONARINO 理事
学生時代より、不登校や発達障害、心身症のある子どもたちへの訪問支援に携わり、医療機関と 9 連携した支援事業を立ち上げる。教育・心理・福祉の視点から実践を重ね、公認心理師、精神保 健福祉士、特別支援教育士、臨床発達心理士として活動。NPO 活動を通して「共に育つ」関係を 大切にしながら、講座ではゲートキーパーマインドとコミュニケーションの大切さを分かち合 い、共に子どもを支えるつながりを育むことを大切にしている。
「気づく・声をかける・聴く」からはじまる支援コミュニケーション
支援員が、子どもたちの心のサインに気づき、安心を届けるコミュニケーションを学びます。小さな変化や SOS を見逃さない「気づく力」、信頼を育む「声かけ」、思いに寄り添う「聴く力」を、具体例や演習、対話を通して深めていきます。参加者同士が語り合い、支援者自身も学び成長しながら、子どもと共に育つ関係を築き、安心できる環境づくりに貢献できる力を養います。
奥平 綾子(おくだいら あやこ)
株式会社おめめどう 代表取締役
1995 年に次男が自閉症と診断されたことをきっかけに、自閉症支援・障害者福祉の道へ。TEACCH研やTAS 研などの活動を経て、2004 年に(有)おめめどう自閉症サポート企画を起業。現在は株式会社おめめどう代表取締役。
自閉症・発達障害の人にわかりやすい「巻物カレンダー®」「コミュメモ®」など多数の支援ツールを考案し販売。ネットを活用した相談業務・情報発信を続けている。
2002 年の『レイルマン-自閉症文化への道しるべ』以降、現在までに 24 冊を執筆。最新作は『ここからはじめよう!おめめどうの暮らし支援』。2011 年東日本大震災では『非常時の支援と工夫』を発信し、「防災」をテーマに全国で講演活動を行っている。
自立とは自己決定!育もう選択の力
「えらぶ」に焦点を当てることで、人生における選択活動(自立のベース)の大切さをお伝えします。選ぶことで暮らしは格段に楽になります。そして同時に責任も生まれ、気持ちがキリリと整います。実際にどのような選択活動があるのかを、「えらぶメモ」を書きながら体験していただきます。
古川 潔(ふるかわ きよし)
星槎大学大学院 教育実践研究科 准教授
1学習障害とその周辺の困難をもつ中学生を対象としたフリースクール、広域通信制高校の学習センター長(福岡・広島)を経て現職。履修証明プログラム「支援教育専門士」「学びの多様化支援士」の科目を担当。附属総合学修・就職支援センター就職支援室長として、通信制大学の若年層学生へのキャリア支援を中心に活動している。
自己理解を育てるコミュニケーション
変化が速く、予測が困難な時代には、人生の節目ごとにキャリアデザインに取り組むことになります。そのためには「自分は何者か」という問いと向き合いつつ、周囲の人との関係を構築していく工程が欠かせません。「長所を伸ばす」「短所を補う」という考え方だけでなく、「その人その人のスタイルを確立する」「自立・自律につなぐ」「自己肯定感を高める」等の視点から、コミュニケーション力の伸ばし方について考えてみましょう。
湯澤 正通(ゆざわ まさみち)
広島大学名誉教授
広島大学大学院において,ワーキングメモリ理論に基づき,学習に困難を抱える児童や生徒の支援について研究。特別支援教育士広島支部会会長。著書は,『ワーキングメモリに配慮した「読み」「書き」「算数」支援教材2) 』明治図書出版 (2026/1/30)など多数。
ワーキングメモリ理論と学習支援
ワーキングメモリという脳の働きについての基礎を学び,ワーキングメモリと学習や思考との関係を理解します。学習に困難を抱えるLD,ADHD,ASDなどの特性を抱える児童生徒に対して,その困難の原因をいかに診断し,それに適した支援をどのように行うかを理解します。
高野 光司(たかの こうじ)
帝京平成大学 健康メディカル学部 心理学科 講師
小中学生の頃から暴力を中心とした非行・犯罪に関心を持ち,早稲田大学・大学院においてアンガーマネジメントや矯正教育について研究。その後,小中学校の指導員やSC,大学での勤務などを経て現職。その一方で,刑務所において暴力事犯者を対象に臨床活動を継続している。特別支援学校における外部専門員,職業訓練校におけるアドバイザーなど。共著に「学校現場で役立つ 生徒指導・進路指導 教師をめざす人のために」など。
子どもの問題行動をどう理解するか
― 脳機能と環境、リスク要因・保護要因の視点 ―
「問題行動」は生物学的な要因だけで生じるものではありません。このセッションでは犯罪行動や非行を例に取り上げ、子どもを取り巻く環境の中にあるリスク要因や保護要因について説明します。それらをどのように理解するかを通して、子どもの発達や成長を支えるために大切な視点について考えます。
西永堅(にしながけん)
星槎大学大学院教育学研究科・研究科長・教授
2004年星槎大学開学時より着任し、山口薫初代学長の元、認定NPO法人日本ポーテージ協会にも所属しながら、障害の有無に関わらず、すべての子どもたちのニーズに応じた教育(特別なニーズ教育・Education for All)を目指し、アジア地域におけるCBR、CBID活動にも従事してきた。著書に、子どもの発達障害と支援のしかたがわかる本(日本実業出版社)などがある。
認知科学・行動科学の視点から、読み・書き・計算・社会的スキルへの支援
身長の発達にも個人差があるように、ことばや読み書き計算の発達にも個人差があります。年齢で課題を決めるのではなく、アセスメントを元に合理的な教育を行っていくことが重要です。アセスメントとは決して、障害の判定のことではなく、もともと経済学の用語であったように、発達のいいところも見つけることを意味しています。
山田 充(やまだ みつる)
特別支援教育士スーパーバイザー
大阪市教育委員会指導部インクルーシブ教育推進室通級指導アドバイザー
大阪府堺市で教員を37年間。最初の17年間は通常の学級担任、後半の20年間は通級指導教室を担当し、発達障害などの支援の必要な子どもたちの支援にあたる。退職後6年間、広島県廿日市市教育委員会で特別支援教育アドバイザーを担当する。その後、大阪に戻り大阪市教育委員会で通級指導アドバイザーとして、大阪市の通級の指導を行うと共に全国から要請のあったところで研修会講師を勤める。
子どものつまずきから考える国語支援
発達障害の特性や、その子どもの持つ特性を明らかにし、その特性と子どもの持つ学習上の困難を明らかにすることで、具体的で有効な支援が見えてきます。子どものアセスメントに関することから、その解釈と支援の考え方についてお話したいと思います。
河村 暁(かわむら さとる)
福岡教育大学 教職大学院 教授
筑波大学大学院でLD児のワーキングメモリについて研究。その後,広島の発達ルームそらにて学習支援の実践を行う。広島文化学園大学を経て2023年から福岡教育大学教職大学院。読み書き計算の学習支援の研究に取り組む。著書に「教室の中のワーキングメモリ」明治図書,「教室の中の算数障害」明治図書「ワーキングメモリを生かす指導法と読み書き教材」学研プラス,「 LD(学習障害)・学習困難のある子どもへの「学習支援」入門」ソシム。
算数障害の理解と支援
知的発達に遅れはないが計算や文章題に著しい困難のある算数障害はおよそ5%程度の出現率とされます。まだ日本では十分に認識・理解されていません。算数障害がなぜ生じるのか,そのアセスメント,学習支援の方法について具体的に学びます。
平林 ルミ(ひらばやし るみ)
学びプラネット合同会社 代表社員
特別支援教育を専門とし、学習に困難のある人へのテクノロジーを活用した学習補償や環境調整、読み書き評価・指導法の開発を行ってきた。現在は、東京大学バリアフリー教育開発研究センターにおいてインクルーシブな学校・地域を創るための研究に従事している。また、2020年9月より、学びプラネット合同会社を立ち上げ、読み書きICTサポートの現場への技術移転とコミュニティ運営を行っている。言語聴覚士・公認心理師・臨床発達心理士・博士(学術)。
読み書きできなくても学べる
ー ICTによる合理的配慮の基礎と実践 ー
読み書きに困難がある子どもたちは、文字中心・印刷物中心という現在の教育システムのあり方によって学びから遠ざけられてしまうことがあります。本講演では、ICTを活用した合理的配慮の基本的な考え方と具体的な実践方法を紹介します。「読めない・書けない」を前提にした学び方を知ることで、目の前の子どもへの支援の選択肢が広がります。
1回目:2026年 4月 19日(日)10:30~12:00
2回目:2026年 5月 17日(日)10:30~12:00
※同日とも同内容です。
Illustration by Naoko Ikeda
Logo design by Yukimi Nishimura