NPOについて

世の中には、みんなが困っている課題(=社会的な課題)がたくさんあります。その社会的課題を解決するために設立するのがNPOです。

 

自分が何かに困っていなくても、自分のそばにいる人が苦しんでいることを知ったとき、あなたはどうしますか?放っておきますか?それとも手を差しのべますか?

 

私達は「手を差しのべる」という道を選びました。そして、多様な子ども達を救うためにNPOを立ち上げました。

 

しかし、日本では、NPOを「無償で、もしくは安価で」事業を提供する団体だと思っている人達が多くいます。NPOは非営利事業体ですが、どんな事業活動にも経費がかかります。そのため、その経費を賄うだけの収入が必要になります。

 

ボランティアによる活動を継続していくだけでも、事務所の家賃や広報代など多くの経費がかかり、それらを会員から頂く年会費や単発の寄付や助成金だけで賄うことは非常に難しいため、専従のスタッフを雇うことさえもできないのが現状です。

 

NPOは(無償で安価でという意味の)ボランティアではないということ、そして、助成金や寄付、会費だけに依存して活動を継続することはできないことをご理解ください。

※ボランティアという言葉は元々「喜んで、自ら進んで」という意味でしたが、日本ではいつしか「安価で」とか「無償で」といった意味で捉えられるように変化してきているのかもしれません。

 

当NPOと同じように、社会貢献活動を継続させたくても資金難のため継続を断念せざるおえない団体は無数にあります。

 

そういったことにならないためにも、当NPOでは自ら収益事業をおこない活動経費を賄う「事業型NPO」を目指していますが、事業収入といってもセミナーや講座の受講料だけですから、現状ではやはり専従スタッフを雇うことはできません。

 

そのため、当NPOでは理事長と同じ志を持つ4人のスタッフで(日々の膨大な事務作業を)何とかやってのけている状態です。

 

NPOの活動費には「人件費」も認められているため、活動に必要不可欠な人件費は経費(支出)として算入されますが、現在、十分な人件費が出せるほどの収益がないため、ごくわずかの活動費(交通費含む)をスタッフに出せるか出せないかの状態です。

 

私達の活動目的は営利ではなく、非営利(=社会課題を解決すること)なので、今後、収益が出てきたとしても、スタッフに再分配することはありません。

 

企業であれば、収益事業で儲かった場合は、そのお金を会社の余剰金や株主配当、経営者や社員のボーナスなどに分配されますが、NPOでは人に分配しません。これが「非営利活動」という意味です。

 

つまり、必要最低限の人件費を確保した上で、それ以上の利益をスタッフに配分しないというのがNPOだということです。収益を上げて社会課題を解決するために従事する点では、企業もNPOも何ら変わりません。

 

しかし、企業とNPOが大きく違うところは、NPOは社会課題の解決を目指しますから、利益は手段であって最優先には考えていないということです。

 

この辺りを、皆様にはご理解いただき、資金面・人材面でのご支援を頂けますようお願い申し上げます。

 

NPO法人日本インクルーシブ教育研究所 代表 中谷美佐子

 

※こちらのブログも参考にしてください↓

「NPOはボランティアじゃないよ」2015年9月3日投稿